
◆経緯
2011年1月に右膝の痛みが発症。2月から水が溜まり始める。
3月に病院で初めて水抜きを行い、同時にヒアルロン酸を注入。
その後も通院し、水抜き&ヒアルロン酸注入を数回行う。
4月から膝の痛みから歩行困難となり、ヘルパーとしての
仕事にも支障をきたすようになってきた。病院に通院しても
症状が改善せず、むしろ悪化しているように
感じていた。知人の紹介により来院。

◆カラダの状態
・腹臥位での下肢の捻れが顕著(左下肢外旋、右下肢内旋)
・両側下肢の筋肉は過緊張状態。
(下肢長検査にて、膝関節の伸展抑制を確認)
・膝関節30度程の屈曲位にて疼痛出現
・クワドの柔軟性が極端に低下している。
・右クワドの筋委縮が見られる

◆施術
初回:アクティベータ・メソッドのみ(腰椎・膝関節・骨盤部を中心に)
2回目~4回目:アクティベータ・メソッド&クワドのストレッチ&歩行訓練
5回目以降からクワドの筋力トレーニングを取り入れる。
合計8回の施術を行う。

◆結果
・初回:
施術で膝関節屈曲時の疼痛は消失(「ツッパリ感が残る」と表現)
ただし、歩行時の痛みは残存している。
・2回~3回
症状の変化なし。本人は焦りを感じ始めるが、全身を整えることが
症状改善の最短距離であることを十分に説明して納得して頂く。
・4回
歩行が改善される。階段の上りは問題なし。下りはまだ疼痛出現。
膝に水が溜まる気配なし。
・5回
階段を下りる動作も問題なくできるようになる。
膝に水が溜まる気配なし。
・6回
調子が悪くなるのは、長時間歩行をしたときのみ。
普段の生活では全く問題なし。
・7回
仕事に復帰。しかし、仕事をした後は膝が痛みだす。
仕事中にしている動作を二人で再確認して、カラダの使い方を
見直す。
・8回
やはりまだ、仕事の後に痛みを感じてしまうが、翌日には解消。
再度、カラダの使い方を再検証して原因を追及する。
ここまでで、2か月が経過。膝に水が溜まることはなかった。
以後、メンテナンスを継続中

◆考察
膝の症状改善には、全身のバランスの調整が不可欠であることを
痛感した。この方の場合、胸椎と腰椎(L3)の極端な神経エラーが
毎回出現。そして、最後まで残っていたのが、胸椎(T6)であった。
また、この方は積極的にアクティブ・ケアを自宅で行ってくれたこともあり、
症状の緩解までのペースが非常に早かった。
この方に認識して頂いたことは、
①ストレッチ ②筋力UP ③正しく歩く の3点
この中でも、「正しく歩く」ということが非常に重要なポイントである。
