
◆経緯
転職を機に肩こりがひどくなった。仕事内容は全く同じなのに、
「なぜ?」とご本人は感じていたようである。
3カ月程前から、頭痛を感じるようになる。心配になり
頭痛外来のある病院へ通う。結果、緊張性頭痛と診断される。
肩こりから来ているものと説明されてことで安心するが、
2週間前から目の奥が痛みだした。再び不安になり病院へ。
精密検査の結果、異常は見られず。緊張性の頭痛の診断を
受けていたこともあり、その症状が派生したものではないかと
医者から説明を受ける。
友人が当院で頭痛が軽減したことを知り、紹介され来院。

◆初回時(カラダの状態)
・立位での姿勢的な特徴は特になし。
(逆に理想的な姿勢と思われた)
・眼球運動を確認すると右→中央→左へスムーズに流れない。
(特に「中央→左」)
・左側の瞳孔反射で縮瞳不全を確認(縮瞳状態を維持できない)
・うつ伏せになると極端に頸肩部の緊張が増加。
・左後頭下筋の極端な過緊張
・下肢長検査における、両側膝関節伸展抑制

◆施術&術後の変化
初回:問診を更に続けると、前の職場との決定的な違いは、
席でパソコン作業をしながら、来客を確認しなければ
ならないという点。顔はパソコンの画面方向に向けて
目だけで右斜め上方向を常に意識しておく必要があった。
(来客に素早く対応するために、常に意識を集中させて
いたようである)
神経学的な所見が見られたので2つのアプローチを試みる。
①神経学的アプローチ
・左側の縮瞳不全から左大脳半球の機能低下
・「中央→左」の眼球運動不全から右小脳の機能低下
上記から固有受容器刺激を右側→右小脳→左大脳半球への
賦活を意識する。
②アクティベータ・メソッドによるアプローチ
この方の場合、ほとんどの神経エラーが右側に出現。
(①の所見に則していると考えられる)
術後は、縮瞳不全と眼球運動が改善。クライアントさん
本人はカラダが軽くなった等の変化を感じず。
初回時、目の奥の痛みは出現していなかったため施術効果を
確認できず。アドバイスとしてパソコンの位置を変え、
画面の延長線上で来客を確認できるようにデスク環境を
変えてもらうようお願いした。
そして、一週間様子を見てもらうことにした。
2回目:1週間を期間を空けたが、目の奥の痛みの再発は無し。
頭痛も生じなかった。
縮瞳不全はあったものの、眼球運動不全は消失。
施術は前回同様にアクティベータ・メソッドのみ。
術後は、カラダが軽くなったとのコメントを頂く。
3回目:初回から2週間目。症状の再発はなし。縮瞳不全も消失。
施術はアクティベータ・メソッドのみ。
クライアントさん自らの評価で満足のいくカラダの
状態になれたということで、来院終了。

◆考察
・推測であるが、職場にて右斜め上を眼球だけで
追うという非日常的動作(今まで経験したことのない)、
転職したてで、「仕事をしっかりこなさねば」という
転職後のストレスを背景に外眼筋群の疲労が目の奥の痛み
として出現した可能性がある。
