
◆経緯
慢性的な肩こりに悩んでいたが、自分は「痛いのが当たり前」
と認識していたため、さほど気にしていなかった。
1週間前から背中(肩甲骨の間)が痛み出し、発症から
3日後には仰向けで寝ることもできなくなった。
何よりも睡眠不足になることが仕事の負担となるので、
治療を受けることを決意。HPを見て当院に来られた。

◆初回時のカラダの状態
・両側上腕骨頭の前方変位
・呼吸時の胸郭の動きがほとんど感じられない。
・頚胸移行部筋膜の S(上方)→I(下方)制限
・肩甲胸郭関節の離解不全
・下肢長検査における、両側膝関節伸展抑制

◆施術&術後の変化
初回:アクティベータ・メソッド。特に肋骨を念入りに
Checkする。そして、上腕骨頭の前方から後方への
モビリゼーション。頚胸移行部筋膜の S(上方)→I(下方)
リリース。
肋椎関節に顕著は神経的エラーを検出。
術後は胸郭の動きがわずかに回復。
「息が吸いやすい」とのコメントを頂く。次回は1週間後。
2回目:術後、3日間は快眠できた。背中も問題なかったが、
4日目から元の状態に戻った。
施術は前回同様。
術後はさほど大きな改善を自覚することはできなかった。
次回は1週間後。
3回目:前回治療後から1日しか良い状態が持続できなかった。
施術はアクティベータ・メソッド後、骨盤部の
構造を物理的にブロックで変化させ、
再度、骨盤部をアクティベータにて矯正。
術後は「背中が縮むように(反れるように)なった」と
コメント。
もう1週間様子を見てもらうことにした。
4回目:背中の痛みは解消。安眠できるようになった。
施術はアクティベータ・メソッド、上腕骨頭の前方変位は
まだ改善できていないが、関節からの神経的なエラーは
でていないので良しとした。
クライアントさん自らの評価で満足のいくカラダの
状態になれたということで、来院は終了。
その後は1ヶ月のスパンでメンテナンス。
座位時の姿勢を崩さぬようアドバイス。
症状の再発はなし。

◆考察
・仕事中、座位時に腰を丸めた姿勢をされていた。
腰を丸めた姿勢では腰椎は前弯を失い、胸椎から
頸椎にかけて「C」の字のような形態になってしまう。
この姿勢では、①首を伸展しにくい、②呼吸が浅くなる
③腕を上げにくくなるというデメリットが発生する。
特に、呼吸が浅くなるとダイナミックな胸郭の動きが
阻害されてしまう。
このクライアントさんの場合、
◆物理的に肋椎関節の動きに制限が生じていた。
◆神経的に肋椎関節にエラーが生じていた。
全4回の施術中に胸郭に対するモビリゼーションは
行っていない。神経的な問題をクリアーにするだけでも
十分に症状は改善できるという症例でした。
