
◆経緯
大学受験のため予備校に通い始めてから、慢性的な
首の付け根のコリ感(重だるさ)を感じるようになった。
顎を上げて顔を上に向ける動きで、首全体に「詰まり感」を
感じる。会社に就職後、その症状は更に悪化。パソコン
業務を続けていると、ひどい時は気持ちが悪くなり、手先の
脱力感まで感じるようになった。1~2回/週のペースで
マッサージに通うが、その場だけ軽くなるものの、根本的な
改善に至らず。最近は首の筋肉そのものが固くなり、
このままマッサージを受け続けていいものか、不安になる。
HPで当院を見つけて来院される。

◆カラダの状態
・頚胸移行部の筋膜硬化(下方制限)&脊椎のスプリング感の低下
・極度な円背
・左第一肋骨の上方変位(極度の圧痛)
・呼吸が非常に浅く、吸気時の胸郭のダイナミックな動きが低下
・骨盤の屈曲&伸展の能動可動不可
・ハムストリングは極度に過緊張
・ストレッチボード(角度設定20度)での立位不可
・腰椎~頸椎にかけて生理彎曲が減少し、全体的に「C」に近い。

◆施術
初回:ストレッチボードの検査結果(姿勢変化)から、
直感的ではあるが、「カラダのアソビ」が非常に少ない印象を得た。
脊椎全体が「C」字型になっているため、仙骨のうなずき誘導後の
頸部伸展は非常にやりやすいとのコメントを受けた。
アクティベータの下肢長検査所見では、頸部よりも腰部・骨盤部に
神経エラーが多い。特に顕著なエラー反応がでたのは6番目の
胸椎(T6)
初回はアクティベータ・メソッドのみで施術を行う。
座位時の姿勢を気をつけるようアドバイス。
2回~3回目:アクティベータ・メソッド、カテゴリー1のブロック挿入
4回目:極端な神経エラーが出現しなくなったので
アクティベータ・メソッドに軟部組織のアプローチを加える。
ストレッチボード(角度設定20度)での立位が可能となる。
5回目~:ストレッチポールも取り入れる
◆結果
初回終了時:
主訴が50%以下になる
2回~5回目終了時:
「こり感」は感じるものの、気持ちが悪くなり、
手先が脱力するという症状は消失。
現在、アクティベータ・メ�$BDッドでのメンテナンス継続中。

◆考察
腰部・骨盤部の関節の不安定性が原因と推測し、頸部へのアプローチ
よりも下半身へのアプローチを優先して行った。
慢性的な頸部の症状改善には、全身のバランスを調整が不可欠である。
ご本人も2回目まで施術に不満な様子であったが、
5回の施術結果から、全身を整える重要性を認識Ӂ�て頂けた。
また、意識的に座位の姿勢を特に気をつけて頂けたことも
症状改善の大きな手助けになった。
頸部の症状は「受け身の姿勢=なおしてもらうという意識」では
なかなか改善しない。特にパソコン作業時における、本人自らが
行う姿勢の『意識的抑制&意識的方向付け』が症状改善のキーと
なってくる。
