2011年8月16日火曜日

30代 男性 テニス肘



経緯
 学生時代からテニスを続けている。
 3カ月前から右肘に痛みを感じ始める。
 結構なハードを練習を学生時代にこなして
 いたので、社会人になってから、趣味で
 継続しているテニスが原因で肘が痛みだしたとは
 本人は認識していない。
 すぐ改善するだろうと考えていたが、ここ数日は、
 キーボード作業でも痛み出した。
 HPを見て来院される。

初回時のカラダの状態

 ・右肩甲骨の動きが極端に悪い
 ・下肢長検査にて両側膝関節の伸展抑制&能動屈曲が生じる
 ・前方頭位姿勢
 ・右橈骨頭に圧痛


施術&術後の変化

 初回:左右を比べて肩甲胸郭関節の動きに顕著な差が
    確認できる。特に肋骨からの離解不全。
    右前腕に関しては、回内/回外の反復拮抗運動で左に
    対して遅延が生じる(疼痛発生はなし)
    また、非常に下肢の緊張が強く、柔軟性の低下が
    著しい。

    施術はアクティベータ・メソッド(肩甲骨外方に顕著なエラー)
    キネシオテーピングを前胸部・上腕・前腕にかけて、
    外側靭帯テープ、前腕浅筋膜テープ、腕橈骨筋、
    上腕ニ頭筋テープ、大胸筋テープを貼付。
    下肢ストレッチを指導。

    術後は90%症状が消失(残10%は違和感程度)
    満足のいく結果となったが、「テニス肘」の症状は
    カラダの不調和により生じる『二次的産物』であることを
    説明し、今後の再発予防と他の症状発生のリスクを回避する
    意味で下記の改善をすすめ。施術を継続することとした。

     ①肩甲胸郭関節の構造的&神経的エラーの存在
     ②下肢の過緊張&短縮による柔軟性低下

    次回は1週間後

 
 2回目:週末のテニスで少し痛みだした程度(翌日には回復)
     キーボード作業での疼痛は生じず。
     アクティベータ・メソッド(膝、骨盤、股関節を矯正)と
     キネシオテーピングを貼付。
     大腿裏側の筋肉の緩和操作&ART(悲鳴を上げる程の激痛)
     
 3回目:アクティベータ・メソッド、大腿裏側の筋肉の
     緩和操作&ART



考察 
  ・初回の施術で「痛み」という症状は改善したので、
  クライアントさんは満足されていたが、その痛みを
  生み出した『原因』については根本解決できていないように
  思われたので、再診を提案。

  非常に下肢(大腿の裏の筋肉=ハムストリング)の緊張が強く、
  柔軟性の低下が著しいことから。神経的な「過緊張」と
  組織的な「短縮」の両方が生じており、下肢長検査においても、
  与えるストレスに対して数パターンの下肢の軌道を描く。
  2回目の施術でようやく神経的な反応が解消し、3回目でようやく
  組織的な問題(短縮)が解消できた。

  上肢を動かす場合、下肢の安定→腰部の安定→胸部の安定
  →肩甲骨の安定→肩部の安定という動的安定性が不可欠である。
  当院では、この動的安定性の欠如(ごく僅かな安定性欠如の積算)
  が肘の障害に関与していると考えている。
 

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