
◆経緯
5年以上も慢性的な頸部痛と肩こりに悩まされている。
もう何をやっても改善しない。
(整体、マッサージ、電気、超音波、カイロプラクティック等)
とにかく患部を「押されて」いないと気持ちが悪くなるので、
1ヶ月に2回のペースでマッサージに通っている。
疲れが溜まってくると仕事にも支障をきたす程、症状が重くなる。
会社の近くで受けられるところを探して当院のHPを見つける。

◆初回時のカラダの状態
・上腕骨頭の前方変位
・頚胸移行部筋膜の S(上方)→I(下方)制限
・下肢長検査における、両側膝関節伸展抑制
(ハムストリングの過緊張)
・呼吸時に胸郭(肋骨)が拡張しない。

◆施術&術後の変化
初回:アクティベータ・メソッドの下肢長検査にて、
様々なエラー・パターンを示し、非常に
不安定な状態となっている。
(下肢長検査での膝関節屈曲時に左足関節が
極端な底屈反応を示す)
施術は、アクティベータ・メソッドのみ。
症状は頸部、肩部に出ているが、腰椎以下を
念入りにチェックして矯正を行う。特に股関節の
神経エラーが多かった。
術後は、下肢長検査における膝関節屈曲時の
左足関節底屈反応が消去。
「カラダが軽くなった」程度の結果となった。

次回は1週間後。
2回目:症状は完全に消失していないが、調子はよいと自覚。
施術はアクティベータ・メソッドに加えて、
頚胸移行部の筋膜リリース。
・下肢の緊張状態は継続している。
→膝関節&股関節の矯正で大幅に改善。
・今回の下肢長検査では、諸関節にストレスを加えるたびに
左右の足関節が底屈してしまう(このパターンは初見)
→T8までの矯正を終えたところでこの反応は消失。
術後は、下半身が軽くなったとともに、
肩部の症状が更に緩解。
下半身の状態が落ち着いてくる程、上半身の症状が
やわらいでくることを自覚して頂いた。
次回は1週間後。 3回目:肩と首の調子は非常に良い。
しかし、右の背中が張っている感じがする。
呼吸時の胸郭の拡張が極めて小さい。
→実際に、胸郭を大きく膨らませる呼吸を意識すると
両側頸部に疼痛出現。
施術はアクティベータ・メソッドと次回は1週間後。
頚胸移行部の筋膜リリース。胸郭呼吸の指導。
術後は呼吸がしやすくなり、頸部痛が大幅に改善した。
4回目:肩と首の調子は非常に良い。
施術は、前回同様でアクティベータ・メソッドと
頚胸移行部の筋膜リリース。
術後は、胸郭を拡張させることを意識した呼吸時の
頸部痛が減少。
現在、継続治療中。

◆考察
・肋骨可動領域の低下により、胸を膨らませるような
大きな吸気が肋間筋で行えない。そのため、呼吸補助筋である
頸部の筋群が過活動し、頸部痛が慢性化していたと推測される。
また、慢性的な肩こりの方に多く見られる所見が、
「下半身の不安定性」である。
このクライアントさんの場合、2回目から結果が伴ってきたため、
肩部の施術はほとんど行わず、下半身の安定化を最優先とした。
