2011年9月2日金曜日

30代 男性 慢性的な頸部痛と肩こり



経緯
 5年以上も慢性的な頸部痛と肩こりに悩まされている。
 もう何をやっても改善しない。
 (整体、マッサージ、電気、超音波、カイロプラクティック等)

 とにかく患部を「押されて」いないと気持ちが悪くなるので、
 1ヶ月に2回のペースでマッサージに通っている。
 疲れが溜まってくると仕事にも支障をきたす程、症状が重くなる。

 会社の近くで受けられるところを探して当院のHPを見つける。


初回時のカラダの状態

 ・上腕骨頭の前方変位
 ・頚胸移行部筋膜の S(上方)→I(下方)制限
 ・下肢長検査における、両側膝関節伸展抑制
   (ハムストリングの過緊張)
 ・呼吸時に胸郭(肋骨)が拡張しない。


施術&術後の変化

 初回:アクティベータ・メソッドの下肢長検査にて、
    様々なエラー・パターンを示し、非常に
    不安定な状態となっている。
    (下肢長検査での膝関節屈曲時に左足関節が
     極端な底屈反応を示す)
    施術は、アクティベータ・メソッドのみ。
    症状は頸部、肩部に出ているが、腰椎以下を
    念入りにチェックして矯正を行う。特に股関節の
    神経エラーが多かった。
    
    術後は、下肢長検査における膝関節屈曲時の
    左足関節底屈反応が消去。
    「カラダが軽くなった」程度の結果となった。

    次回は1週間後。

 2回目:症状は完全に消失していないが、調子はよいと自覚。
     
     施術はアクティベータ・メソッドに加えて、
     頚胸移行部の筋膜リリース。
     
     ・下肢の緊張状態は継続している。
       →膝関節&股関節の矯正で大幅に改善。
     ・今回の下肢長検査では、諸関節にストレスを加えるたびに
      左右の足関節が底屈してしまう(このパターンは初見)
       →T8までの矯正を終えたところでこの反応は消失。

     術後は、下半身が軽くなったとともに、
     肩部の症状が更に緩解。

     下半身の状態が落ち着いてくる程、上半身の症状が
     やわらいでくることを自覚して頂いた。
     次回は1週間後。

 3回目:肩と首の調子は非常に良い。
     しかし、右の背中が張っている感じがする。
     呼吸時の胸郭の拡張が極めて小さい。  
      →実際に、胸郭を大きく膨らませる呼吸を意識すると
       両側頸部に疼痛出現。  
     
     施術はアクティベータ・メソッドと次回は1週間後。
     頚胸移行部の筋膜リリース。胸郭呼吸の指導。

     術後は呼吸がしやすくなり、頸部痛が大幅に改善した。

     

 4回目:肩と首の調子は非常に良い。
          
     施術は、前回同様でアクティベータ・メソッドと
     頚胸移行部の筋膜リリース。
     
     術後は、胸郭を拡張させることを意識した呼吸時の
     頸部痛が減少。

     現在、継続治療中。

考察 
  ・肋骨可動領域の低下により、胸を膨らませるような
  大きな吸気が肋間筋で行えない。そのため、呼吸補助筋である
  頸部の筋群が過活動し、頸部痛が慢性化していたと推測される。
  また、慢性的な肩こりの方に多く見られる所見が、
  「下半身の不安定性」である。
  このクライアントさんの場合、2回目から結果が伴ってきたため、
  肩部の施術はほとんど行わず、下半身の安定化を最優先とした。
  
     

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