2012年1月15日日曜日

60代 男性 脊柱管狭窄症と診断された腰痛




経緯
 15年程前からの慢性的な腰痛。2011年11月頃から、
 腰痛に加えて、右のお尻、ふとももの外側、ふくらはぎに
 攣るような痛みが生じた。一ヶ月後に10分程の歩行で
 痛みが増加し、歩けなくなってしまう。
 心配になり、病院へ通院した結果、画像所見から脊柱管狭窄症
 診断される。しかし、具体的な治療方針を提案されることもなく、
 どうすべきか迷っていた際に、友人から当院を紹介される。
 とにかく少々の痛みを感じても普通に歩けるようにして欲しいと
 依頼される。


初回時のカラダの状態

 ・調子が良く、痛みが軽度の状態であっても
  正常歩行が困難と自覚。
  (→疼痛回避パターンが短期間で刷り込まれている)
 ・排尿困難、下肢の痺れなどの症状はなし。
 ・マッサージを頻繁に(特に腰を強揉み)受けていた
  ためか、背部の筋は非常に硬化している。
 ・カラダの「アソビ(柔軟性)」の極端な減少。
   →ストレッチボード20度の角度設定で極端な
     前傾姿勢となり立位維持が不可能。
 ・ふともも前面の筋肉(大腿四頭筋)の柔軟性が
  極端に低下。 

施術&術後の変化

 初回:下肢の緊張が極端に強く、自分の意思で力を抜くことが
    できない状態(ご本人は「こんな状態になっているなんて
    自覚が全くなかった」とコメント)
    アクティベータで、丁寧に神経機能障害を起こしている
    骨盤、股関節、背骨の関節を中心に矯正する。
    (アクティベータ・メソッドのみで終了)
    ふともも前面の筋肉のストレッチを指導。
       
    術後:
    症状はわずかに軽減した程度。しかし、
    「立つ」という行為が楽になったとコメント。

    次回は3日後。


 2回目:前回の施術後の変化として、臀部の痛みが
     大幅に軽減。腰部、ふともも外側、ふくらはぎは
     依然として疼痛残存。歩行時の疼痛増悪症状も残存。
     
     施術は前回同様にアクティベータ・メソッドのみ。
     下肢の緊張は1/2程度に軽減。
     (但し、一般と比べると明らかに緊張状態は強い。
     臀部筋群のストレッチを指導。
     とにかく痛みをなんとかして欲しいということで、
     施術終了後、キネシオテーピングを貼付。

     術後:
     腰部・ふともも外側の痛みは1/2程度の軽減、
     ふくらはぎの疼痛は残存。
     「上半身が起き上った感じがする」コメント。
     また、主訴と関係はないが、肩まわりが楽に
     なったともコメント。
          
     次回も3日後


 3回目:前回の施術後の変化として、歩行時の疼痛増加症状が
     消失。痛みによって歩行困難になることがなくなった。
     そして、臀部、ふともも外側の痛みが消失。
     腰部の痛みは「芯」が残っている感じがするが、
     治療前と比べると半分以下に減少。ふくらはぎの
     症状は変化なし。
     
     施術は前回同様にアクティベータ・メソッドのみ。
     下肢の緊張は依然として残存。
     とにかく痛みをなんとかして欲しいということで、
     施術終了後、キネシオテーピングを貼付。

     術後:
     治療前と比べて、症状の変化なしと認識。
     ただし、呼吸がしやすくなった感じがすると
     コメント。

     施術後、時間が経過した方がカラダに変化が
     生じることを経験から理解して頂き、また、
     で今までマッサージで受けていた施術のように
     腰を揉む」ということをしなくとも、腰痛が
     減少していることから継続治療をを行うことに
     承認頂いた。次回は1週間後

 4回目:前回の施術後の変化として、腰部の痛みは9割程消失。
     常時痛みのあったふくらはぎの症状も時々出現する
     程度に改善(痛みの質も低下)
     歩行時の疼痛症状の消失は維持。歩行困難は再発せず。
          
     施術は前回同様にアクティベータ・メソッドのみ。
     関節の神経機能障害も減少しているので、
     ふとももの裏側の筋肉(ハムストリング)の緩和操作を
     念入りに行う。

     術後:
     治療前と比べて、下肢が非常に軽くなったとコメント。
     腰部、ふくらはぎに関しては変化なしと認識。

     今までの4回の施術で、歩行時の疼痛増加による
     歩行困難な症状が消失したので、
     クライアントさん自らの評価で満足のいくカラダの
     状態になれたということで継続施術は一旦終了。

     次回からメンテナンスに移行。


考察 
  ・この方の場合、施術後に主訴とは一見して関係ない
   部位の改善を意識することが多く、肝心の症状の改善を
  その場で感覚することが少なかった。

  「上半身が前傾している」、「呼吸がしにくい」

  という今まで自覚していなかった状態も、
  今回の主訴発症の原因のひとつであったと考えられる。
  また、この方の場合、確かに脊柱管の狭窄
  (せまくなっている状態)は存在するかもしれないが、
  それが、主訴の原因であるとは考えにくい。
  やはり、カラダ全体のバランスが崩れていたことが
  主要因であると考えられる。 
     

にほんブログ村 健康ブログ カイロプラクティックへ