

◆経緯
2年前からジョギング中に右の踵が痛むようになってきた。
帰宅すれば、痛みは消失していたのでさほど気には
ならなかったが、最近普段の生活でも痛みが生じるようになり、
趣味のジョギングができなくなってしまった。
2年前に体調を壊してから、健康管理のために始めた
ジョギングで、走っているとカラダの調子もよく、
これからも継続したいと考えている。早期回復を考え、
HPで当院を見つけ、来院された。

◆初回時のカラダの状態
・両側の足首の柔軟性が極端に低下していた
・「右の肩が少し調子が悪い」と付随症状として会話されていた。

◆施術&術後の変化
初回:下肢の筋群の緊張もなく、足首の柔軟性の低下以外は
これといった問題はないように思えた。
しかし、本人が自覚している以上に右肩の状態は深刻で、
うつ伏せの状態で右上肢をバンザイの姿勢まで動かすことが
できない。ご本人も初めてこのことに気がついた。
踵の症状にはとらわれず、アクティベータ・メソッドで
全身の関節(特に骨盤部)を整えた後に右肩周辺の関節を
メインに施術を行った。
術後:
カラダが軽くなった実感はあるが、踵の症状の変化なし。
右上肢の外転(バンザイする動き)が改善。
1週間後の予約をされて帰宅。
2回目:踵の症状の変化はみられず。
ただし、右肩の可動域は自分で自覚できる程、
改善しているとコメント。
アクティベータ・メソッドで全身を整えた後に
右肩甲上腕関節へアプローチ。
術後:
右上肢の可動域が更に改善するが、踵の症状は改善せず。
次回も、1週間後の予約をされて帰宅。
3回目:2回目の施術から3日後に踵の症状が軽減してきたことを実感。
「また痛くなっては困る」ということでジョギングは
始められていない。前回同様の施術を行った後に、
踵部にキネシオテーピングを施す。
術後:
上肢の可動域が更にUP。踵の症状は変化を感じられず。
次回も、1週間後の予約をされて帰宅。
4回目:今回は術後、2日目で踵の症状が消失にしているのを自覚。
ジョギングを20分程度行うが痛みは再発せず。
右肩の可動域は、うつ伏せでバンザイができる程に
改善しているとコメント。
アクティベータ・メソッドで全身を整えた後に
右肩関節周辺の筋膜をリリース。
クライアントさん自らの評価で満足のいくカラダの
状態になれたということで施術は今回で終了。
右肩関節の症状に関しては、今後、五十肩へ
症状を進行させないためにも月1回のメンテナンスを
継続的に行っていくことに決定。

◆考察
・この方の場合、下肢の関節に顕著な神経機能不全を
確認できなかったので、主訴の「踵の痛み」には目を
向けず、可動不全のある右肩関節に注目して、
全身を整えた。2回目の施術から踵の症状に変化が
みられた。3回目の施術でキネシオテーピングを施して
いるが、踵周辺の脂肪層を床接地部に寄せ集めることを
意図して貼ったもので対症療法的なものなので、これだけで
ジョギングができるようになったとは考えられない。
全身のバランスを整え、右肩関節の可動域を改善させた
ことが、主訴の改善につながったと推測される。