2011年9月27日火曜日

69歳女性 左膝痛による歩行・階段の昇降困難




経緯
 20112月、イスに上って棚の上にあるモノを取ろうと
 したときに左膝を痛める。それ以降、痛みのため、
 歩行困難となり階段の昇り降りが困難となった。
 最近は今までなかった、両肩の「こり感」が気になって
 仕方がない。
 

初回時のカラダの状態

 ・非常に疲れている様子をうかがえた
 
 ・脊柱起立筋(背中の筋肉)の過緊張
   (押すだけで悲鳴をあげる)
 ・両側の肩甲骨の可動制限
 ・下肢長検査における、ハムストリングの過緊張
 ・左下肢の筋肉が押圧に対して非常に過敏
   (少しの押圧で激痛を感じる)
 ・正座ができない。
 ・動くことが辛いとコメント



施術&術後の変化

 初回:アクティベータ・メソッドの下肢長検査では、
    太ももの裏の筋肉の過緊張が顕著であった。
    全身を矯正したあとに、左下肢の筋の緩和操作を行う。
    少しの押圧で激痛を感じられていたため、ソフトに。
    
    術後:膝の屈曲可動域が大きく改善。ただし歩行時の
    痛みは依然残っていた。

    次回は1週間後。

 2回目:疼痛症状は軽減してきたが、寝ていると痛くなるという
     新たな症状が出現した。
     まだ歩行時と階段の昇り降りで痛む。     
     
     施術は前回同様。
     膝の内側とふとももの内側の筋(内転筋)を
     少しずつ緩和操作。ストレッチを指導。    
     
     術後:痛みはあるものの膝の屈曲可動域が正常に近づいた。
     (踵がお尻につくようになった)、歩行時の痛みも半減。

     次回は1週間後。

 3回目:歩行時もずいぶん楽になったが、まだ正座ができない。
     (正座をすると、膝のお皿の上の部分が痛みだす)
          
     施術はアクティベータ・メソッド、
     左下肢の緩和操作に加えて、股関節周辺の緩和操作。
     ストレッチに加えて、大腿四頭筋(ももの前の筋肉)の
     筋力UPエクササイズを指導。


     術後:歩行時に膝の裏が痛くなるという新たな症状が出現

     次回は1週間後。



 4回目:普通に歩けるようになったと自覚。
     (前回の施術後に出現した膝裏の痛みは翌日には消失)
     膝のお皿の上部が少し痛むが正座ができるようになった。
     階段は降りは問題なし、昇るときにまだ痛みがある。
          
     施術はアクティベータ・メソッド
    (特に膝関節、股関節を念入りにチェックする)
     左下肢・股関節周辺の緩和操作。


     術後:「非常に左膝が軽い」とコメント。院内の歩行では
     疼痛は出現せず。

     次回は1週間後。

 5回目:歩行時、階段の昇降問題なし。正座も問題なし。
     寝起きにたまに痛みを感じる程度。
          
     施術はアクティベータ・メソッド、
     左下肢の緩和操作に加えて、股関節周辺の緩和操作。


     術後:大腿四頭筋のストレッチでも疼痛再発なし。

 
     クライアントさん自らの評価で満足のいくカラダの
     状態になれたということで、次回は2週間後。
     その間、ご自身でストレッチ&エクササイズをして頂き、
     2週間後に問題がなければ月1回のメンテナンスに移行。


考察 
  ・ストレッチ&エクササイズをしっかりやって頂いたおかげで
  施術効果の維持&効果の積み重ねが可能になった。
  特に座っている生活に慣れてしまっていたので、その改善も
  心がけて頂いた。やはり、膝の症状の改善には術者とご本人様の
  二人三脚が必要であると痛感した。  
     

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2011年9月16日金曜日

50代 男性 左腕を肩より上にあげられない(五十肩)



経緯
 2か月前から左肩周辺に痛みを感じる(こり感ではない)
 それから数日後、腕を肩より上にあげることが困難になり、
 戸棚の物をとることができなくなった。
 このような症状は初めて。仕事の関係でこれ以上、腕の動きを
 制限されると支障が生じるので、HPを見て来院される。

初回時のカラダの状態

 ・左肩甲上腕関節の外旋制限(腕を外まわりにまわせない)
 ・上腕骨頭の前方変位
 ・頚胸移行部筋膜の S(上方)→I(下方)制限
 ・下肢長検査における、ハムストリングの過緊張はみられない。



施術&術後の変化

 初回:アクティベータ・メソッドの下肢長検査も
    非常に落ち着いており。極端なエラーは検出されず。
    全身を矯正したあとに、頚胸移行部の筋膜リリース、
    左上腕骨頭の前方から後方へのモビリゼーションを行う。
    
    術後は、感じていた疼痛が半減。しかし可動域は変わらず。

    次回は1週間後。

 2回目:疼痛症状は消失したが、可動域制限は残存。
     可動域ギリギリまで上肢をあげても痛みは再発せず。
     「痛くはないが、動かない」という表現をされていた。
     
     施術は前回同様。
    (左鎖骨の外方、左上腕骨頭の前方変位のエラーが顕著)
     そして、左腋窩(脇の下)の硬化がみられたので緩和操作。     
     
     術後の可動域の変化はなし。

     次回は1週間後。

 3回目:痛みの再発はなし。左腕がようやく肩より上に
     あがるようになった。
     随伴症状として右腰部痛が発症。
     
     施術はアクティベータ・メソッドに加えて、
     左上腕骨頭のモビリゼーション。
      (やっと後方への動きが確認できるようになった)
     右側の腹筋群のART(アクティブリリーステクニック)

     術後は、大幅に左上肢の可動域が改善された。
     右腰部の痛みも消失。


     クライアントさん自らの評価で満足のいくカラダの
     状態になれたということで、来院は終了。


考察 
  ・アクティベータ・メソッドの下肢長検査から各関節の
   神経機能障害の「蓄積」が肩の症状を生み出したと
   いうよりも、本症状は日常生活において、左上肢の可動域を
   狭めて活動していた結果と思われる。
   このクライアントさんの場合、左上腕骨頭に動きをつけると
   構造的なアプローチを最優先とした。  
     

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2011年9月2日金曜日

30代 男性 慢性的な頸部痛と肩こり



経緯
 5年以上も慢性的な頸部痛と肩こりに悩まされている。
 もう何をやっても改善しない。
 (整体、マッサージ、電気、超音波、カイロプラクティック等)

 とにかく患部を「押されて」いないと気持ちが悪くなるので、
 1ヶ月に2回のペースでマッサージに通っている。
 疲れが溜まってくると仕事にも支障をきたす程、症状が重くなる。

 会社の近くで受けられるところを探して当院のHPを見つける。


初回時のカラダの状態

 ・上腕骨頭の前方変位
 ・頚胸移行部筋膜の S(上方)→I(下方)制限
 ・下肢長検査における、両側膝関節伸展抑制
   (ハムストリングの過緊張)
 ・呼吸時に胸郭(肋骨)が拡張しない。


施術&術後の変化

 初回:アクティベータ・メソッドの下肢長検査にて、
    様々なエラー・パターンを示し、非常に
    不安定な状態となっている。
    (下肢長検査での膝関節屈曲時に左足関節が
     極端な底屈反応を示す)
    施術は、アクティベータ・メソッドのみ。
    症状は頸部、肩部に出ているが、腰椎以下を
    念入りにチェックして矯正を行う。特に股関節の
    神経エラーが多かった。
    
    術後は、下肢長検査における膝関節屈曲時の
    左足関節底屈反応が消去。
    「カラダが軽くなった」程度の結果となった。

    次回は1週間後。

 2回目:症状は完全に消失していないが、調子はよいと自覚。
     
     施術はアクティベータ・メソッドに加えて、
     頚胸移行部の筋膜リリース。
     
     ・下肢の緊張状態は継続している。
       →膝関節&股関節の矯正で大幅に改善。
     ・今回の下肢長検査では、諸関節にストレスを加えるたびに
      左右の足関節が底屈してしまう(このパターンは初見)
       →T8までの矯正を終えたところでこの反応は消失。

     術後は、下半身が軽くなったとともに、
     肩部の症状が更に緩解。

     下半身の状態が落ち着いてくる程、上半身の症状が
     やわらいでくることを自覚して頂いた。
     次回は1週間後。

 3回目:肩と首の調子は非常に良い。
     しかし、右の背中が張っている感じがする。
     呼吸時の胸郭の拡張が極めて小さい。  
      →実際に、胸郭を大きく膨らませる呼吸を意識すると
       両側頸部に疼痛出現。  
     
     施術はアクティベータ・メソッドと次回は1週間後。
     頚胸移行部の筋膜リリース。胸郭呼吸の指導。

     術後は呼吸がしやすくなり、頸部痛が大幅に改善した。

     

 4回目:肩と首の調子は非常に良い。
          
     施術は、前回同様でアクティベータ・メソッドと
     頚胸移行部の筋膜リリース。
     
     術後は、胸郭を拡張させることを意識した呼吸時の
     頸部痛が減少。

     現在、継続治療中。

考察 
  ・肋骨可動領域の低下により、胸を膨らませるような
  大きな吸気が肋間筋で行えない。そのため、呼吸補助筋である
  頸部の筋群が過活動し、頸部痛が慢性化していたと推測される。
  また、慢性的な肩こりの方に多く見られる所見が、
  「下半身の不安定性」である。
  このクライアントさんの場合、2回目から結果が伴ってきたため、
  肩部の施術はほとんど行わず、下半身の安定化を最優先とした。
  
     

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